職場にPCを持ち込めない制約があって、平日はiPadを持ち歩いてメインの編集環境です。
編集しやすいように外部キーボードを合わせて使っています。
(iPad+外部キーボードは、PCと変わらない感じもしますが。)
WordPressの記事の編集では特に問題なく愛用していました。
ところが、2025年7月ごろから、記事の編集をしていると「カーソルが消えて文字が打てない!」ということが頻繁に発生するように。
結構、頻繁に発生し、編集中に急に入力できなくなると「え、なにこれ?」って感じで、ともてストレス・イライラ感が湧いてきます。
解決するためにいろいろ調べた結果を同じ症状で困ってる人に共有しますね。
この記事に書かれた問題は2025年10月現在、まだ解決に至っていません。
調査の経過を共有しています。
症状 ― iPadでだけ起こる不具合
iPadでWordPressの記事を編集中に急にカーソルが表示されなくなり、文字入力ができなくなります。
以下のような状況です。
- WordPress(Cocoon)+ビジュアルエディター(Gutenberg)
- iPadのブラウザでWordPressで記事編集(Safari/Chromeどっちも同じ)
- 段落ブロックをクリックしてもカーソルが出ない/文字が入力できない
- コードエディターなら入力できる
- PC(Windows、Mac)環境では問題はない
つまり「iPad(たぶんiPhoneも)だけアウト」という謎現象。
とっても不便でストレスを感じました。
いろいろ試したこと(ことごとく失敗)
2025年7月ごろまでは気にならなかったので発生していなかったと感じています。
おそらく、そのころのWordPressかCocoonのアップデートが影響しているのではないでしょうか。
とりあえず、以下のような対策を試してみました。
「なんとか治したい!」と熱くなり、記事を書くよりも原因調査に時間を吸われていく始末…。
やったことを解説します。
SafariからChromeに切り替え
最初はSafariの JavaScriptの処理の問題と思いました。
Chromeを使えば治るかなと思い、切り替えましたが、残念、だめでした。
シークレットモード
ブラウザのキャッシュや環境の問題と思い、Safariのプライベートブラウズや Chromeシークレットタブで確認してみました。
残念ながらダメでした。
サーバー・ブラウザキャッシュ削除
このようなトラブルはサーバーやブラウザのキャッシュが悪さすることがあります。
以前、WordPressのリダイレクトのプラグインの問題が発生したとき、サーバーのキャッシュが原因でした。
その経験からサーバー、ブラウザのキャッシュをクリアしてみました。
残念ながらダメですね。
サーバーのキャッシュのクリアの方法は、使用しているレンタルサーバーで異なります。
私の使用しているレンタルサーバーはConoha Wingです。
Conoha Wingの環境は以下の操作でクリアできます。
他のレンタルサーバーでも同様の機能があると思いますので、マニュアルなど参考にしてください。
Conoha Wingのサーバーキャッシュをクリア
Conoha Wingでは、WordPressのサーバー側での高速化機能としてキャッシュ機能があります。
外観や動作に影響するCSSファイル、JavaScriptファイルの過去のバージョンのものが、キャッシュに残っている場合があります。
通常は新しいバージョンのファイルがあると更新されるのですが、まれに古いファイルが使われてしまい誤動作になることがあるので、怪しい時はクリアしています。
手順は以下の通りです。
- Conohaコントロールパネルにアクセス
- 「サイト管理」画面で「高速化」をクリック
- 「キャッシュ」タブをクリック
- 「コンテンツキャッシュ」を展開
- 「キャッシュクリア」の「クリア」をクリック
ブラウザのリロード
SafariもChromeもブラウザをリロード「cmd + r」すれば復旧します。
リロードが終わるまで待ちが発生することと、ページの先頭まで戻されるので、編集が中断されとても面倒です。
ストレス・イライラが溜まりますよね。
Cocoonのスキン変更
CSSの影響であれば、もしかしてCocoonのスキンが悪さしているのでは?と疑いました。
私が使っているスキンはもう何年もメンテナスされていませんでした。
WordPress、Cocoonがアップデートする中で、スキンがアップデートしていないのであれば、怪しいと考えたのです。
いろいろなスキンで試してみましたが、どのスキンでもダメ。
最新のスキンでも現象は出るので、早々に諦めました。
スキンを「なし」にしても現象は発生したので、スキンの問題ではなさそう。
追加CSSで調整
GutenbergのGitHub Issue(特に #56272)にCSSの問題が投稿され議論されていました。
その記事から問題を回避するCSSをChatGPTにまとめてもらいました。
/* iPadでGutenberg入力できない問題の回避 */
.block-editor-writing-flow,
.block-editor-block-list__layout {
overflow: visible !important;
transform: none !important;
}
.block-editor-rich-text__editable {
-webkit-user-select: text !important;
user-select: text !important;
}
このコードを追加CSSに設定します。
追加CSSへの設定手順は以下の通りです。
- 左のメニュー → 「外観」→「カスタマイズ」 をクリック
- 左のメニューの下の方にある 「追加CSS」 をクリック
- コードをそのまま貼り付け
- 「公開」 ボタンをクリック
かなり期待したのですが、これでもダメでした。残念。。。
「エディターにテーマスタイルを反映させる」をオフ
CocoonのCSSの問題であれば、エディタにCocoonのスタイルを反映しなければ回避できるかも、と考えました。
以下の設定でスタイルの反映をしないようにできます。
- WordPress管理画面 の「Cocoon設定」をクリック
- 「エディター」タブをクリック
- 「エディターにテーマスタイルを反映させる」のチェックをオフ
ただし、編集中の画面にスタイルが反映されないため、公開する画面とは見た目が違う画面で編集しなければなりません。
ビジュアルエディターの意味がなくなっちゃうので、あまり嬉しくないのですが、これで回避できるなら!とやってみました。
残念ですが、この設定でもダメでした。
段落ブロックを追加する
この問題は段落ブロックにカーソルが表示されない、文字入力できないということですが、その他のエディターの操作は問題なくできます。
入力できない状況になっても段落ブロックを追加することもできます。
それで編集できるようになれば全部解消されるのでは(ショック療法的な)、と考えたのです。
入力できない状況で段落ブロックを追加すると、追加した段落ブロックは編集できます。
けれども、もともとあった段落ブロックの編集はできませんでした。
一瞬、回避手段にできるのでは?と期待を膨らませましたが、とても残念です。
HealthChekで確認(10月15日追記)
WordPress公式のトラブルシューティングプラグイン 「Health Check & Troubleshooting」 を使って確認しました。
通常、プラグインをオフにすると、公開しているサイトにも影響します。
けれども、このプラグインは、実際のサイトには影響を与えずに、管理者のアクセスのみプラグインをすべて無効化したり、テーマを切り替えて動作を確認 できる便利なツールなのです。
ちょっと不安もありますが、Cocoonのお問い合わせにも最初に試すこととして記載されていましたので実行してみました。
試した手順は以下のとおりです。
- Health Checkを有効化してトラブルシューティングモードに切り替え
- すべてのプラグインを無効化した状態でテスト(切り替えて初期状態)
- テーマを「Cocoon」→「Cocoon子テーマ」→「Twenty Twenty」に順に切り替え
結果は、すべてのプラグインを停止しても再現、さらにTwenty Twenty(WordPress公式テーマ)でも同じ症状が発生 しました。
つまり、プラグインやCocoon固有の問題ではなく、Gutenberg自体やiPadOS(Safari)との相性 が原因の可能性が高そうです。
この段階で「テーマやプラグインが悪さしている」線はほぼ除外できたと考えられます。
結局、現時点では解決方法なくリロードのみ
こんなにいろいろ頑張ったのに、残念ながらブラウザをリロードするしか手がない状況。
まあ、私が検証したぐらいで解決するなら、とっくに誰かが解決してますよね。
とりあえず当面は入力できなくなったら「cmd + r」です。
ああ、とってもストレス。
WordPress、Cocoonのアップデートに期待するしかありません。
また、状況が変わったら記事を更新します。
なんでこうなるの?
いろいろ調べてみましたが、この問題は、WordPress、Guntenberg、Cocoonが起因だけでなく、iPadOS側が起因する可能性もあります。
それぞれ調べて結果は以下の通りです。
WordPress、Cocoon、Gutenbergの問題
ChatGPTに相談しながら、GutenbergのGitHubなど海外のサイトも含めて調べてみると、いくつか現象が報告されていました。
どうもこんな感じっぽいです。
- ビジュアルエディター(Gutenberg)の入力欄は
contenteditable
という仕組みを使ってる - iOS Safari(WebKit)とこの仕組みの相性がよくない
- とくにテーマのCSSにある overflow, transform, flex が絡むと、カーソルや入力がバグる
要するに「CocoonのエディタースタイルがiPadで悪さをしてるかも」ということなんですね。
iPadOS 側の問題も影響しているかも?
調べてみると、iPadOS 26 でも編集画面まわりの不具合が複数報告されています。
特にテキストエディターや固定ツールバーの位置がズレたり、カーソルが見えなくなったりする症状が海外フォーラムで議論されていました。
- Discourseフォーラム: iPadOS 26でテキストエディタがズレる問題
- Discourseフォーラム: 固定配置要素がキーボード表示時に不具合を起こす問題
- Gutenberg Issue #3360: iOSで段落ブロックのカーソルが隠れる問題
全てがこの現象に関わるのかはわかりません。
こうした報告をみると、CocoonやGutenbergだけではなく、
iPadOS(WebKitレンダリング)の挙動も関係している可能性があるようです。
そのため、OSのアップデートによる改善も期待できるかもしれません。
追記:デバッグとGitHubへの報告(2025年10月10日)
問題の原因を調べるために、MacとiPadを接続してSafariの開発ツールを使い、実際にiPad側でのエディターの動作をデバッグしてみました。
結果として、特定のCSS(overflow や transform)が関係している可能性が高そうだとわかりましたが、明確な修正までは至っていません。
似たような問題がWordPressのGutenbergの公式GitHubにも報告されていたため、私も新しい報告としてGutenbergの公式GitHubに情報を共有しました。
開発チームの対応やアップデートに期待しています。
進展があるとよいのですが。
2025年10月15日
Health Checkの結果もGutenbergのGitHubに追加情報として提供しました。
おわりに
正直、この不具合が出ると執筆が止められてしまい集中力が途切れます。
とてもストレスです!イライラします!
私としては大問題なので引き続き調査して、状況が変わったら記事を更新しますね。
今後のiPadOS更新や、WordPress/Gutenberg側の修正を待ちたいところです。
もしこの問題について、情報お持ちの方がいらっしゃたら教えてください。
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