この記事では、Obsidianを初めて使う方でも無理なく続けられるデイリーノートの始め方を紹介します。
ToDoの管理やメモの整理をシンプルに始めたい人におすすめの内容です。
やるべきことをメモしても、あとから見返すとどこに書いたか分からない——。
手書きのメモ帳を使ってみても、字が汚くて読めなかったり、必要な情報を探せなかったり……。
そんなときに出会ったのが「Obsidian」でした。
記事で「デイリーノートが便利」と紹介されていて、“1日ごとに記録を残せる”という点に惹かれて使ってみたのがきっかけです。
ただ、いろいろな記事を参考に設定してみたものの、
- 何を書けばよいの?
- ただ書くだけで続けられるの?
- めちゃ機能多くて使いこなせない
とネガティブな思いで、使いこなせている自分が想像できません。
そこで私は、「とりあえず今日のタスク管理だけをやってみよう」と決めて、自分なりに少しずつ使い方を工夫してみました。
今では、無理なく続けられる形が見えてきたので、その流れを紹介します。
「Obsidianに興味はあるけど、うまく使えない、続かない…」
という方は、ぜひ参考にしてみてください。
Obsidianを“日々の整理帳”として使う
Obsidianはメモアプリのように見えますが、うまく使うと「デジタル手帳」としても活躍します。
- 予定やタスクの管理
- 思いついたことのメモ
- 学習したことを記録
- Webクリップ
それを少しずつ積み重ねていくことで、“自分の行動や思考の記録”が自然にたまっていきます。
自分の「第二の脳」になるのです。
続けるコツは、最初から完璧を目指さないこと。 できる範囲から始めて、少しずつ自分に合う形を見つけていきましょう。
今日から使うための最低限の準備
この記事では、Obsidianがインストール済みであることを前提に進めます。
まずは、ノートを保存するフォルダ(Vault)を1つ作りましょう。
気なるのはフォルダ構成だと思いますが、最初のうちは複雑な構成にせず、DailyNotes 、Templates、Inbox の3つくらいのフォルダだけあれば十分です。
使い慣れてくると、自然に自分のフォルダ構成ができてきます。
もちろん、フォルダをしっかり分けて始めても構いませんが、初心者はできるだけシンプルに始めた方がよいでしょう。
プラグインの準備(デイリーノートとTemplater)
Obsidianを毎日使ううえで欠かせないのが、デイリーノートとTemplaterプラグインの2つです。
この2つを設定しておくと、日々の記録を自然に積み重ねていく仕組みができます。
■ デイリーノートプラグインを有効にする
デイリーノートプラグインを以下の手順で有効にします。
- 設定(⚙️)→「コアプラグイン」
- 「デイリーノート」をオンにする
- コマンドパレットから「今日のデイリーノートを開く」で今日のページを開ける

これで、毎日自動的に日付ごとのノートを作成できます。
■ 日付ごとにフォルダを分けるカスタマイズ
毎日デイリーノートをつけていくと、1年で300、3年で1000を超えるノートが1つのフォルダに溜まってしまいます。
ノート数が多くなると探すのも大変です。
私はこれを避けるために、年・月ごとのフォルダ構成にしています。
月単位であればフォルダのノート数は30程度です。
デイリーノート作成時のフォルダ構成、ファイル名を設定します。
- 設定(⚙️)→「デイリーノート」で設定画面を開く
- 「日付の書式」に「YYYY/YYYY-MM/YYYY-MM-DD」を設定する
- 「新規ファイルの場所」に「DailyNotes」を設定する
ここまでの設定でデイリーノートを作成したときに以下のフォルダ、ファイル名で保存されます。
「DailyNotes/2025/2025-10/2025-10-24.md]

年・月ごとに分けておくと、あとから特定の期間を振り返るのがとても楽になります。
■ Templaterプラグインをインストールして有効にする
Templaterは、毎日のノートに決まった内容を自動で挿入できる便利なプラグインです。
難しく考えず、まずは「日々のページの雛形をつくる」感覚でOKです。
- 設定(⚙️)→ 「コミュニティプラグイン」
- 「制限モード」を「有効化」にする
- 「閲覧」で「Templater」を検索してインストール
- 「インストールされたプラグイン」から「Templater」を有効にして、設定を開く
- 「Template folder location」でテンプレートの保存場所を指定
例:Templates - 「Folder Templates」の「Enable Folder Templates」を有効にして
フォルダとテンプレートファイルを設定する
例
フォルダ:「Templates」
テンプレートファイル:「Templates/DailyNoteTemplate.md」 - デイリーノートプラグインの設定の「テンプレートファイルの場所」にテンプレートファイルを設定する
例:Templates/DailyNoteTemplate.md



Obsidian活用のステップ
ここまでで基本の環境(プラグイン設定)が整いました。
ここからは、実際にデイリーノートを使いながら少しずつ自分に合った形に育てていくステップを紹介します。
- Level 1:「今日のタスク」と「なんでもメモ」
- Level 2:残件の自動引き継ぎ
- Level 3:気づき・日記・メモを追加
- Level 4(予告):AIを活用した振り返り
どのLevelから始めても構いません。
自分のペースに合わせて取り入れていきましょう。
【Level 1】まずは今日のタスクとなんでもメモ
ここからが、Obsidianを日々の生活で使いはじめる第一歩です。
デイリーノートを使って、まずは“今日のやること”と“思いついたこと”を整理する基本の形をつくります。
やることはシンプルで、「今日のタスク」と「なんでもメモ」を1ページにまとめるだけです。
■ テンプレートを作る
テンプレートフォルダに、テンプレートファイルを作成して、次の内容を保存します。
ファイル名はTemplaterプラグインの設定のときに指定したファイル名(例ではTemplatesフォルダのDailyNoteTemplate.md)にしてください。
## 📝 今日のタスク
- [ ]
## 📋 なんでもメモ
-
この設定で、今日のデイリーノートを開いた瞬間にこの雛形でノートが作成されます。
■ “毎日開く習慣”を作る
最初は、内容を書くことよりObsidianを開くことを目標にしましょう。私は朝いちばんにObsidianを開いて、前日のデイリーノートを軽く眺めてから「今日のタスク」を書き出しています。これだけでも頭の整理になります。
タスクを完了したら、タスクのチェックボックスにチェックをいれましょう。
気になることなどあれば「なんでもメモ」に追加していきます。
「なんでもメモ」は箇条書きでも、見出しを作って書いても、なんでも構わないのです。
あまり形式は気にせず、ダラダラ書けばOK。
そのうち自分のスタイルがまとまってきます。
紙の手帳と違って、Obsidianはいつでも追記・検索ができます。「書きっぱなし」にならないのが長く続けられる理由です。
【Level 2】残件を自動で引き継ぐテンプレート
毎日ToDoを書いていると、全部のToDoはクリアできず、どうしても「昨日のやり残し」が出てきます。
Templaterを使って、前回のデイリーノートから未完了のToDoを自動で引き継ぐ仕組みを作りましょう。
■ 残件を引き継ぐ仕組み
Templaterのマクロを使うと、「直近で作成したデイリーノート」を参照し、チェックされていないタスク(- [ ])だけを取得して、今日のデイリーノートに書き出すことができます。
この仕組みにより、「前回の続きから始める」流れを自然に作れます。
テンプレートファイルを以下の内容にして保存してください。
これで前回の残タスクを今日のデイリノートの「未完了タスク」として引き継げます。
<%*
const moment = window.moment;
// どれくらい過去まで「ノートの存在」を探すか(安全弁)
const LOOKBACK_DAYS = 120;
let cursor = moment().startOf('day').subtract(1, 'day');
let found = false;
for (let i = 0; i < LOOKBACK_DAYS; i++) {
const y = cursor.format("YYYY");
const ym = cursor.format("YYYY-MM");
const ymd = cursor.format("YYYY-MM-DD");
const path = `DailyNotes/${y}/${ym}/${ymd}.md`;
const file = app.vault.getAbstractFileByPath(path);
if (file) {
// 最初に見つかった過去ノートだけを見る
const content = await app.vault.read(file);
const tasks = content.match(/^\s*-\s\[\s\]\s.+/gm); // 未完了タスク行
if (tasks && tasks.length > 0) {
tR += `## ⏳ ${ymd} の未完了タスク\n\n` + tasks.join('\n').trimStart();
} else {
tR += `✅ ${ymd} 時点で未完了タスクはありません。`;
}
found = true;
break;
}
cursor = cursor.subtract(1, 'day');
}
if (!found) {
tR += `❌ 直近${LOOKBACK_DAYS}日で過去のデイリーノートが見つかりませんでした。`;
}
%>
# <%tp.file.title%>
## 📝 今日のタスク
- [ ]
## 📋 なんでもメモ
-
注意点として「前回のデイリーノート」は過去120日前のものまで探すようにしています。
// どれくらい過去まで「ノートの存在」を探すか(安全弁)
const LOOKBACK_DAYS = 120;
今日の前日のデイリーノートを探して、見つからなければさらに前日、それも見つからなければさらに前日というように探す処理なので、適当にあきらめるようにしています。
もっともっと大きくしても問題はないですが、そこまで遡る必要はないと思います。
■ 日付付きタスクで柔軟に管理
タスクの中には、今日ではないけど期限があるものもあります。
そんなときは、日付をつけて書きます。
- [ ] 10/25 市役所に書類提出
日付はタスクの前でも後ろででも構いません。
タスクをチェックしていない間は、次のデイリーノートにずっと引き継がれます。
日付の日が近くなったら対応すればよいのです。
忘備録的な使い方ができます。
■ 続けるコツ
デイリーノートとはいえ、必ず「毎日書かないといけない」ものではありません。
書けない日があっても気にせず、次に書ける日に再開すればOKです。
そのために、マクロは“前日”ではなく直近のデイリーノートから引き継ぐようにしています。
私は「書ける日は書く」「書けない日は無理をしない」と決めています。
残件が自動で引き継がれるようにしておくと、中断してもスムーズに再開でき、ストレスなく続けられます。
“続けること”よりも“再開しやすくすること”を意識すると、Obsidianを長く使っていけます。
【Level 3】気づき・日記・メモを追加して“自分ノート”に
タスク管理に慣れてきたら、自分なりによく書く内容で項目を分けてみましょう。「気づき」「日記」「振り返り」などをテンプレートに追加してみましょう。
私は以下のような項目をテンプレートに追加しました。
## 📝 今日のタスク
- [ ]
## ☀️ 朝日記
## 🌙 夜日記
## 💡 アイデア・気づき
-
## 📚 学んだこと
-
## 📋 メモ
## 🔄 振り返り
### 良かったこと
-
### 改善点
-
### 明日に向けて
- [ ]
少しずつ書いていくことで、自分の思考の流れや成長の記録が見えてきます。
たとえ1行でも書いておくと、あとで振り返るときに驚くほど役立ちます。
ただ、私の項目もしばらく使っていて、使わないものもあるので、そのうち見直します。
使いながら、自分で必要な項目、不要な項目を整理しながら成長させていきましょう。

【Level 4(予告)】AIを活用した“振り返り”を試してみたい
日々の記録が増えてくると、「今週はどんなことをしていたか」「最近どんな気づきが多かったか」など、まとめて振り返りたくなります。
ただ、手動で整理するのは少し手間がかかります。
そこで、生成AIを使って自動的にまとめられないかを考えています。
ObsidianにはAI連携プラグインもあり、中でも SmartComposer は、ノート内容をAIに要約してもらう機能があります。
これを使って、1週間分のノートを自動でまとめられないか試してみる予定です。
「自分で書くだけでなく、AIに整理を手伝ってもらう」ことで、振り返りがもっとラクに、そして楽しくなるかもしれません。
うまくできたら、ここに追記していきますね。
もし、すでにそのようなことをやっていたら、ぜひ教えて下さい!
まとめ:できるところから始めて、自分に合わせて育てよう
Obsidianは高機能ですが、最初からすべてを使いこなす必要はありません。
- Level 1:今日のToDoとなんでもメモ
- Level 2:残件の自動引き継ぎ
- Level 3:気づき・日記・メモで“自分ノート”に
この流れを通して、「毎日少し書く」「昨日の続きから始める」習慣ができれば十分です。
大事なのは完璧さではなく、“続けられる形”を見つけること。
少しずつカスタマイズしながら、Obsidianをあなたの生活に馴染ませていってください。
ツールに合わせるのではなく、自分のやり方に合わせて育てていく——それが、長く続けるいちばんのコツです。


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